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80年続く連続ドラマを一緒に見ないか?

野球は人生そのもの。そういうシーンに出くわすと涙もろくなる年頃のプロ野球観戦記。タイトルは中日ファンの作家である奥田英朗さんの名言を一部お借りしています。

2013年7月14日 ベルギー野球、のはずが

今日はベルギープロ野球リーグ、フラームス・ベースボール・リーガ(Vlammse Baseball Liga)の試合がある日だった。

 

意気揚々と宿泊先のブリュッセルから、国鉄アントワープに移動。

せっかくなのでフランダースの犬関係地をちらっと見た後、トラムに乗り、バスに乗り換え、郊外の野球場に向かう。

野球が盛んでない国で野球の試合を見ようとすると球場にたどり着くまでが大変だ。

日本(or韓国or米国)だと野球の試合のある日のそれっぽい時間に球場の最寄り駅に行けば、同志がぞろぞろと列をなして球場に向かっているので、着いていけば自動的に球場に着く。
しかし、ヨーロッパではそもそも球場が郊外の不便なところにあり、最寄駅についても歩行者一人もいないという状態なのだ。
「ほんとにこんなところで野球やってるのかなあ?」と不安になりつつ歩を進めると、突然目の前に球場が現れ選手の声や球音が聞こえてくる。
この瞬間が感動的で、異国での野球巡りは止められない。

 

さてアントワープにあるブラスチャート・ブレーブスの本拠地も、ほんとにここでいいのか?と不安になる森の中にあった。

森の木々の間から球場がチラリと見えて感動したのは一瞬で、あらたな疑問が浮かんだ。
「声が聞こえない。。球音もしない。。人の気配もない。。。」

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球場に着くとおばあさんが一人いた。
誰もいない球場を前に立ち尽くす我々に、おばあさんはつたない英語で懸命に説明をする。
「今日は対戦相手が来れなかったの。だから試合はなし。試合をするのに充分な人数を集めることが出来なかったの。」

ええーっ!と驚く我々に、もう一度噛んで含めるように繰り返しました。

「They couldn't come. No game.」

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パリに続きベルギーでも試合を見ることができなかった。
ヨーロッパの野球リーグは、プロ野球といっても平日は野球以外の各自の仕事をしており、週末に集まれる人が集まって試合をするものなので、選手が集まらないことは時々起こる。
バカンスシーズンが始まったばかりなので、家族サービス等に忙しいのかもしれない。。。

 

「日本の草野球でも、試合の日は意地でも選手集めて穴開けないようにするよねー。
 それがこんな簡単に試合が無くなっちゃうって、我々は日本の草野球以下の野球を見に24時間も飛行機に乗って日本から来てるんだよ。」
と、連れが誇らしげに言う。

そうなのだ!

この状態全てがヨーロッパ野球の現実なわけで、日本にいては想像もつかないこの現実を自分の経験にしたいという欲求があるわけで。

酔狂だなあと思いつつ、この趣味は止められそうにない。

 

誰もいない球場の横で、キャッチボールをしている子供たちがいた。
ベルギーにもキャッチボールをする子供がいるということに胸が熱くなる。

彼らが取り損ねたボールを連れが投げ返しただけで、子供たちは歓声を上げる。
これくらいのボールを投げられるだけで驚いていたら、メジャーリーグの試合を生で見たら、驚きのあまり引っくり返ってしまうのではないだろうか。

この子たちがずっとずっと野球を好きでいてくれるように、そっと空に祈る。