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80年続く連続ドラマを一緒に見ないか?

野球は人生そのもの。そういうシーンに出くわすと涙もろくなる年頃のプロ野球観戦記。タイトルは中日ファンの作家である奥田英朗さんの名言を一部お借りしています。

2013年8月25日 野球好きに悪い人はいない

かつて、とあるメーカーの営業として大阪に転勤が決まった時、まず最初に六甲おろしをそらで歌う練習をした。

そして阪神の試合結果を毎日チェックするようになった。

 

 

そこから15年経過し、旅行者として大阪の朝を迎えた。

あいにくの雨。かなり強いが傘はない。

濡れても良さそうな唯一の持ち物である大阪近鉄バファローズタオルを頭にかぶりコンビニを探す。

しかしコンビニは近くに見当たらず、おまけに道に迷ってしまった。

 

そこに通りかかった一人のおじさん。

ありがたい、道を聞いてみよう。

「すいません。一番近い地下鉄の駅どこですか?」

御堂筋線でいい?この道まっすぐ行ったらな、大きい道に出るから、そこを右に曲がったら難波、左に曲がったら心斎橋。

 …傘持ってないの?ほなら途中まで一緒に行こ。おっちゃんも近くまで行くから。」

 

ありがたく傘に入れてもらい、頭のタオルを外して、自分が近鉄ファンということ、昨日の近鉄復刻のオリックス戦を見に東京から来たことなどを話すと、おっちゃんの目が輝いた。

近鉄好きなんかあ。おっちゃんはずっと大阪やから、生粋の阪神ファンや。」

 

阪神は兵庫なのでは…なんて野暮なことを言ってはいけない。

かつての営業魂にスイッチが入った。

「昨日阪神勝ちましたね!岩瀬から4点も取るなんてすごい!」

中日の岩瀬は数少ない自分と同年代の選手なので、本当は彼が打たれてとても悲しいのだが、その心の痛みは内に秘め、話を続ける。

「せやろー、マートンがなー」と気持ちよく話すおっちゃん。

だけど「このままCSに出て、巨人をやっつけてくださいよ!」という私におっちゃんは怒る。

「何言うてんの!まだ諦めてへんで!優勝あるで!!」

慌てて「ですよね、最近また調子上がってきてるし!」と話を合わせる。

「せや、明日の先発メッセンジャーはなここ最近…、

 おっと、おっちゃんここなんやけど…、

 ええわ、駅まで行こ!!」

なんと、阪神の話で楽しくなってしまったおっちゃん、駅まで送ってくれた!

 

営業時代に何度も感じた「阪神は身を助く」が、今日再び。

野球好きに悪い人はいないのだ。